日々風船

風船のように浮き沈みする日々を綴ります。エッセイ風にできたらいいな。

20代で家を買う

そう聞けば華やかな話題に聞こえるかもしれない。私自信も実感はほとんどないが嬉しくはある。ただ、それだけではなく苦悩もあることを書きたいと思う。

住宅購入の話が持ち上がったのは丁度、仕事をセーブして妊活に専念したいと思い始めた矢先であった。

私達夫婦は、卵胞計測やタイミング、双方の基礎的な検査を妊活としてやってきたが、コウノトリはなかなかやってこず4ヶ月が経とうとしていた。
現在の日本では2年間夫婦生活をしても授からない場合を不妊症としている。
しかし、ここ4ヶ月の妊活で既に気持ちは折れかけており、より効果の高い治療に興味が湧いていた。そうなると、現在の仕事ではスケジュール調整が難しい。職場の環境も良いとは言えず、辞めたい気持ちも強くなってきていた。

夫としては治療にお金を使うのは躊躇いがあるようだった。それよりも家が欲しいと。私が仕事をやめるにしても、今の家賃より安いところに引っ越さないと駄目だから見に行こうといった。

実際に見学するにあたり、3~4LDKの物件を探した。不動産屋でも「これからお子さんができてもオススメですよ」と笑顔で言われる。現地でも、「子供部屋にも丁度いいですよ」と。
新しい家はそれは綺麗で、理想的な生活がセットされ、玄関にはカラフルな三角の旗が飾られていた。

しかし、家を買えば仕事は辞められない。次の治療のステップに登るのは見送りになる。そうなった場合、我々二人だけだけとなる確率は跳ね上がるだろう。広い家に、二人だけ。虚しさや後悔はないだろうか。
浮かれた三角の旗に辟易しながら理想的な家を見学していた。

そのなかで、夫がとびきり気に入った家があった。「ここに住みたい」と。とても嬉しそうな表情をしていた。それをみて、ここに住んであげたい。あての無いものを追いかけるより手に入りそうなものを選ぼうと思った。
あの顔を覚えている限り、私に後悔はないだろう。
まだ、実感はわかないが引っ越しを楽しみにしている。